私は「人が好き」です。
人が喜ぶことに寄与できたとき、
この上ない喜びと自分の存在意義を感じます。
だから、小さい頃から好きだった芸術の道と、
それが交差しているデザイナーという職種を選んだのだと思います。
自分の見たい景色をつくるのがアーティストだとすれば、
人が見たい景色をつくるのがデザイナー。
私がいままで絵を描いていて楽しかったり、喜びを感じでいたのは、
人が褒めてくれたり、喜んでくれる顔が見たかったからなんだと思います。
だから人ありき。自分信じるものを貫く…、というアーティストではなく、
人が求めるもの、状態、効果に対して、デザインをもって、より良いこと、ものに。
それによって、誰かが喜んでくれたり、商品が売れたり…ということにやりがいを感じ、
デザインの仕事につきました。
しかしながら、そんなやりがいのある仕事はやはり大変で(笑)
仕事はとても充実していたけれど、
帰って寝るだけの生活と、
この先、一生はこの仕事を続けてはいけないだろうというジレンマに陥りました。
自分が一生続けていける仕事はなんだろう?
……その時唯一の趣味と呼べるようなものは料理でした。
しかも人のためにつくり、それを「おいしいっ!」と言ってくれたときのこの上ない喜び。
なんとなく、「飲食の仕事がやりたいかも」などと思ってはいましたが、
「でもそんなこといまさら…」とその頃は自分の胸で秘めていました。
それがしばらくたって、あるときから声に出して人に言ってみるようになりました。
すると、それを聞いた友人が素敵な情報を教えてくれ、
幸福な巡り合わせと呼ぶべき、多くの人との出会いがありました。
やっぱりやりたいことは声に出してゆうもんです(笑)
そして5年近く働いた会社を辞めました。
会社を辞めて思ったことは、
わたしは本当に人との出会いに恵まれているということでした。
退社のお知らせをするたび、
飲食店をやりたいという一見見当違いな夢を誰も馬鹿にすることなく、
みなさんが応援してくれました。
仕事での付き合いはなくなってしまったけれど、
これからもみなさんとつながっていたいと心から願っています。
そして、わたしのそういった大好きな人がまた別の大好きな人とつながって—。
そんな場所として、飲食店をつくりたい。そう強く思います。
これからは全く先が見えなくて、
ある意味自由で、何にもない状態なので途方に暮れそうになりますが、
一度動き出したからには後悔のないように。
そう自分に言い聞かせてがんばります。
唐突ですが、そんな今の私のテーマソング(笑)
The Zombies – This Will Be Our Year
まあ、本当はこの曲は、これから結婚するような人たちのラブラブな曲なのですが(笑)
今までの過去の自分に対するノスタルジックな感情と、
これからの自分への前向きな気持ちが両方感じられて、
なんとも言えない気持ちになります。
へんな日本語でいうと、「せつなうれしい」って感じでしょうか。
長々となりましたが、そんな決意のもと日記を始めようと思います。
日々、つくり、食べ、飲み、感じたことを書いていきます。
岸本 とも子